前回にも述べましたが,データベース管理者(DBA:Database Administrator)の仕事(タスク)としては,次のようなものがあります。
・Oracleソフトウエアのインストールおよび更新
・データベースの作成
・データベースおよびソフトウエアのアップグレードの実行
・データベースの記憶域構造の管理
・ユーザーおよびセキュリティの管理
・スキーマ・オブジェクト(表,索引など)の管理
・バックアップと,必要に応じたリカバリの実行
・データベースの予防的監視と,必要に応じた予防処置
・パフォーマンスの監視およびチューニング
これらのタスクを実行するに当たり,Oracleでは有益なツールが用意されています。ツールの存在も使い方も知らないのでは,DBAとして効率よく仕事をしているのか疑わしいものです(しなくても良い苦労をして,時間ばかりかけているかもしれません)。
そこで,ORACEL MASTERの試験でも,どのようなツールが存在して,どんなことができるのか,そして,それらを使用する上で準備(“あらかじめプロセスを起動しておく必要がある”とか“ファイルを用意しておかなければいけない”など)が必要か---といったことが問われます。今回は,それらについて学習しましょう。
データベースを作成,削除できるDatabase Configuration Assistant
DBAが使用するツールには,表1のようなものがあります。以下,表の順番で,各ツールについて説明していきましょう。
ツール | 内容 |
---|---|
Oracle Universal Installer | Oracleソフトウエアとオプションをインストールする |
Database Configuration Assistant | データベースの作成削除などを行う |
Database Upgrade Assistant | 旧バージョンのデータベースからアップグレードする |
Oracle Net Manager | Oracle Net構成ファイルの作成,編集を行う |
Oracle Enterprise Manager | Oracle 製品の包括的な管理を行う(GUI) |
Recovery Manager | データベースのバックアップ,リストアおよびリカバリを行う |
Data Pump | データのExport/Importを行う |
SQL*Loader | 外部ファイルからOracleデータベースにデータをロードする |
SQL*Plus | データベースの起動停止を含む,データベース管理作業全般 |
「Oracle Universal Installer(OUI)」は,Oracleソフトウエアをインストールする時に使用するツールであることは,前回もお話しました。インストール時に,「データベースも作成する」と指定した場合は,「Database Configuration Assistant(DBCA)」が起動し,データベースが作成されます。
DBCAは,単独で起動することもでき(図1),データベースの作成,削除のほか,テンプレートの管理を行うことができます(図2)。
テンプレートは,新規データベースの作成に必要な情報が入ったXMLファイルです。既存のデータベースからテンプレート(シードテンプレートと呼びます)を作成して,既存データベースのクローン(コピー)を作成することもできます。シードテンプレートには,シード(既存)データベースの構造(表領域,スキーマを含む)と物理データベース(データファイル,REDOログファイル,制御ファイルなどのデータベース・ファイル)が含まれます。